2009年11月06日

デイサービス たけのこ

和歌山県内でもたくさん設立されているNPO法人による介護保険事業所。各事業所ごとに創意工夫や設立の経過は異なりますが、スタッフSがユニークだなーと思っているのが白浜町にあるNPO法人たけのこ。法人設立の時からお手伝いさせていただきながら、なかなか現場にお伺いできず、だったのですが、ようやく機会をみつけて取材に行ってきました!


白浜町堅田にあります一軒家を借りて事業をおこなっています。認知症の方を受け入れています。


もともとは12年前に白浜町の敬老会で寸劇をやろう!という話が持ち上がり、その寸劇に関わったメンバーが「劇団たけのこ」を結成。それ以降、白浜町を中心に老人施設や地区会館などでボランティア公演をおこなうようになりました。
小さな町ですから演じているスタッフの知人が観客にいたり、公演を重ねるうちに観客のみなさんと顔見知りになったり、とアットホームで爆笑を誘う演劇を披露してきました。なかには「振り込め詐欺」防止のメッセージを込めた演劇なども。

そんな公演を続けるなかで、年老いても、認知症になっても、地域で安心して暮らせる社会づくりが必要ではないか、という想いが劇団のスタッフのなかで芽生え始めました。幸い、介護保険制度に明るいスタッフが多かったこと、またスタッフ間の長年の信頼関係があったことから、想いを共有し、一気に事業化に向けて動き始めました。

はじめは小規模多機能事業所を目指したものの、費用面で断念。資本金が不要で少ない資本でも事業が開始できるNPO法人とし、デイサービスを始めることにしました。

一軒家を借用できることになった後も備品はほとんどがスタッフのネットワークで集めたもの。地域のほかのNPOの支援もあったといいます。それこそ、長年の演劇活動で培ったネットワークが活きたのでしょうね。
今年は、赤い羽根共同募金の助成金を活かして防災道具を購入し、地域住民の避難場所として活用できるようにしたほか、防災訓練を地域のみなさんと実施し、救助方法やα米などの防災食の試食などをおこなったそうです。地域と一体となりながら、お年寄りのケアをされている様子がうかがえます。

ちなみに、デイサービスを開始したいまでもボランティア公演は継続されています。デイサービス事業をしながら演劇活動ってできるの?と疑問に思っていたのですが、今日のお話しを聞いて納得しました。その秘密は・・・せっかくなのでここでは伏せておきますね(笑)


インタビューの間も絶えず笑いに包まれたわけですが、年を重ねても慣れ親しんだ地域でゆったりと過ごせる地域社会づくりに少しでも寄与したい、という想いはスタッフのみなさんが共有されており、このような熱意のあるみなさんによる、このようなアットホームな事業所が各地にできるとどんなに豊かな地域になるだろう、と思わされた取材でした。  


Posted by SV支援センター at 18:28Comments(0)和歌山県内の事例